1-2 外連声(1)


    I.外連声……合成語と文章の中での音変化

  1. (続き) サンスクリットでは通常は分かち書きをしませんが、 語が母音やアヌスヴァーラ、ヴィサルガで終わり、 次の語が子音または半母音で始まるときにのみ、分かち書きをします( 1315を除く)。 その他の場合には連声法 (サンディ。934)にしたがって語を続けて書きます。 たとえば、 は、 2814219) (どうしてこれがこの中でふさわしくないだろうか。 最初にも違いがあるし最後にも違いがある)となります。
     アクセントは古い文にはついているものがありますが、 古典サンスクリットではついていないので、ここでは一切省略します。 ただし語形変化を説明するのに必要な場合はそこで説明します。
  2. 一つの合成語あるいは一つの文章の中の語の語頭と語末は、 連声法(サンディ)の規定に従います。

    イ.語末と語頭の母音

  3. 等しい弱音階 を含む)が来る場合はその長母音になります。 つまり、 となり、 となり、 となります。
     例。 (彼はここにいない)= (悲しみ)+(濡れる)= (悲しみに濡れる)。 (天女のように)= (敵)+(胸)= (敵の胸)。
  4. は 異なる弱音階母音と合体して標準階母音となり、 と合体して長音階母音となります。 つまり、 となり、 +となり、 +となり、 +となり、 +となり、 +となり、 +となります。
     例。 (この人は誰か?)。 (世)+(主)= (世の主)。 (突然に起き上がって)。 (〜のように)+(季節)= (季節に従って)。 (まさにこのように)。 (大いなる)+(薬草)= (効験ある薬草)。 (富)+(支配)= (富を支配すること)。 (彼の切望は)。
    備考 (唇)の直前の は、合成語のときには省略されることがあります。 (下の)+あるいは
  5. は、 異なる種類の母音の直前にあるときは、それぞれ相当する半母音、 になります。
     例。 (数日は)。 (そうであろう)。 (父)+(従順であることにより)= (父に従順であることにより)。
  6. またはの次のは省略され、(アヴァグラハ)と書かれます。
  7. 以外の母音の直前のとなり、 もやはりそうなります。 これは実は半母音 (→11)が発音されているのですが、 それが非常に弱いために表記されないからです。
     例。 (とならない) (彼は林の中に座る)。 (とならない) (ここにいるずるがしこいお前よ)。
  8. は母音の直前ではでなくとなります。 も母音の直前では通常はとなります。  例。 (彼は彼に牡牛を与える)。 (その二つとも)。
  9. 名詞・形容詞や動詞の変化で、両数を表わす語尾の母音 および、複数の (→110)は、 次に母音が来ても変化することはありません ()。 また、このような場合の の後に来る は省略されることはありません。
     例。 (二つの足跡は)。 (この両眼は)。 (両ひじをあげて)。 (両耳たぶを取り去って)。

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