鸚鵡七十話31(2/2)
弁舌で自分の身を救った盗賊

(盗人のセリフの続き)
「それゆえ、このようなとても重大な世界の災厄の厄除けの作業をあなたがなさりたいなら、その時は厄除けをなさい。そうでなければすべてが終末を迎えると私は思います」
すると王は声を放った。「それではこの災厄の厄除けはどういうものか?」と言った。
そのとき、王の命令を受けて彼もまた言った。「この厄除けをできるのはあなただけです。私を許す約束をしてくれれば、その後に言いましょう」と。
そこで王は彼に約束を出した。かくて例の男はその厄除けの行動を王に語った。
「私の保護をしなさい。これだけでその厄除けになるということをご理解ください。
王もまた言った。
「あなたがさっき、全世界がすっかり様相を変えてしまうといったのは、どういう意味ですか?」
彼は言った。
「大王様、ご注意ください。私が殺されれば全世界もまたおしまいです。もし私が殺されれば、全世界もまたすっかり様相を変えてしまいます。私以外の者を期待して、いったいどういう効用がありましょう?」
その時王は彼の言葉に笑い出し、彼を自由にした。


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