マハーバーラタ3-54-1(1/3)
ナラ王物語-5

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

ブルハダシュヴァは言った。

♪さて、清い太陰日の瞬間に、同様に幸運な時を得て、ビーマ王は王たちを婿選びの式に招きました。愛にもだえたすべての王たちはそれを聞いて、ダマヤンティーを得ようと思って急いで集まってきました。黄金の柱が光り、弓形の門で輝かしい、堂々たる会場に、かの王たちは、まるで偉大な獅子のように入りました。そこでは、大地の支配者たちが、種々の座席に座っています。芳香のある花環をかけ、清められた宝石の耳輪をつけ、鉄のかんぬきのような数々のたくましい腕が見られます。よい形で、たいそうつややかで、5つの頭をもつ竜神のような、もとどりが美しく、愛らしく、そして鼻と目と眉が美しい王たちの顔が、まるで天における星のように輝いています。
すると会場に、美しい顔のダマヤンティーが入りました。輝きによって、王たちの目と心を奪いながら、見ている彼ら高貴な王たちの視線は彼女の身体に注がれました。王たちの視線は動くことなく、まさに彼女の歩くここそこにしばりつけられていました。
その後、王たちの名前が読み上げられているときに、ダマヤンティーはそこに、等しい容貌の5人の男たちを見ました。彼らすべてが等しい容貌で立っているのを見て、ダマヤンティーは疑わしさによって、ナラ王を認識できませんでした。なぜなら、彼女が見た彼らのうちの誰もが、ナラ王であると思われたからです。 そこでかの美しい女性は理性によって考え、どうやって神々を見破り、どうやってナラ王を識別することができるだろうかと考えました。
このように思い巡らしながら、とても困ったかのダマヤンティーは、以前に神々の特徴を聞いたことを思い出したのです。
「私が尊敬すべき人々から聞いた、神々のかの特徴を、ここの大地に立っている神々のうちの一人の特徴てさえも、私は気づかないだろうか」
彼女はさまざまな熟慮して、そして何度も何度も思案して、神々に助けを求める時がやってきたと考えました。

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