マハーバーラタ3-54-1(2/3)
ナラ王物語-5

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

♪彼女は言葉と心とによって敬礼の行為をなして、神々に合掌の動作をして、ふるえながらこれを言いました。
「ハンサ鳥たちの言葉を聞いて、私がナラを夫として選んだという事実があるのですから、神々は私に彼を示してください。私が言葉でも心でも悪事を犯していないという事実があるのですから、神々は私に彼を示してください。神々によってかのナラが私の夫として定められたという事実があるのですから、わが神々は私に彼を示してください。私はこの誓いを、ナラの心を得るという目的で企てたのですから、偉大な主である守護神たちは、私がナラ王を認識できるように、まさに自分本来の姿をしてください」
ダマヤンティーのその悲しく哀れな様子を知って、言われたとおりに、神々は特徴を示すことにおいてできる限りのことをしました。
彼女はすべての神々が、汗をかかず、目がまばたきせず、かぶっている花環の花がしぼんでおらず、塵がつかず、大地に触れずに立っているのを見ました。ナラには影があり、かぶっている花環の花はしぼんでおり、塵と汗にまみれ、まさに大地に立っていることと、そして瞬きをしていることによって、ナラであるとよくわかりました。
ダマヤンティーはかの神々とナラ王とを見極めて、ナラを掟にしたがって選びました。切れ長の目を持つ彼女は恥じらいながら、ナラ王の着物の端をつかみました。彼の肩のあたりに最高に美しい花環を投げかけました。そしてまさに、美しい女性は彼を夫として選んだのです。
すると突然、王たちが、ああ、ああという声を発しました。そこで、驚いた神々や偉大な賢人たちが、ナラ王を賞賛して、「よくやった、よくやった」という声をあげました。
ナラ王は愉快な心で、美しい腰のダマヤンティーを以下の言葉によって元気にさせました。

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