パンチャタントラ1-13(1) - サンスクリット語(梵語)リーディング

日本語訳…… ある池に、カンブグリーヴァという名の亀がいた。

日本語訳…… 彼にはサンタカとヴィカタという名の二羽のハンサ鳥の友人がいて、彼に最高の愛情を持っていた。
備考……

は通常男性だが臨時に中性。そのせいで、ゴンダ文法巻末語彙集には中性で載っている（日本語版は男性中性併記だが英語版は中性のみ）。このあとに「～がいる」という動詞を補えという趣旨の注がゴンダ文法にあり。

日本語訳…… そしてその二羽のハンサ鳥は池の岸に行って、亀と一緒にいろんな神仙の話を～
備考…… 次文へ続く。

日本語訳…… ～して、日没のころに自分の巣へと帰った。
備考…… 前文からの続き。ゴンダ文法注２には、

で「～に赴く」とあるが、「～に難をさける」→「～帰る」としてもよいと思う。

日本語訳…… さて時がたって、かんばつによって池は徐々に干上がった。

日本語訳…… かくて、その苦難に苦しんだ二羽のハンサ鳥は亀に言った。
備考……

という複合語についたゴンダ文法の注は「その苦難によって苦しんでいる、と読め」ということ。

日本語訳…… おお友よ、この池は泥が残ったものとなった(泥しか残っていない)。
備考…… ゴンダ文法の注４(

への注)は、この語が所有複合語(バフヴリーヒ)だということ。「泥」＋「残り」→「泥が残った(もの)」。

日本語訳…… すると君はいったいどうなるんだ？(と)
備考…… ゴンダ文法の注５は、末尾に「～と」の

が隠れているよという注意。ただしハンサ鳥たちのセリフはまだ続く。

日本語訳…… 私たちの心に困惑の心が起こっている。
備考…… ゴンダ文法の注６は、

(私たち二人の)がわかりにくいことだけ。

日本語訳…… それを聞いてカンブグリーヴァは言った。ああ、水がないことによって私たちの人生は今やない。
備考…… この文と次文は、当初のミスを直したために、ヘンなところで切っています。ご容赦ください。

日本語訳…… しかし対策を考えねばならない、と言った。そしてこうも言われている。
備考……

でセリフが切れるわけではなくまだ続きます。

日本語訳…… たとえ時が悪くても、堅固な心を捨ててはいけない。

日本語訳…… 彼はいつか、その堅固な心によって出口を得るだろう。
備考……

は、第一行目の忠告を守る人（ゴンダ文法注７）

日本語訳…… それはちょうど、たとえ海での難破のときにも、
備考…… 処格が二つ続くが、内容的には「海が荒れていても」のように処格絶対節ととるべきでないと思う。

日本語訳…… 船乗りが(海を)渡りきろうと願うように。