II．一語の中の音変化
、
、
、
は、
母音で始まる語尾の前では
、
に変わります。
これらが子音の直後にあるときは特にそうなります。
＋＝
(怖れて)。
＋＝
(地の上に)。
＋
＝
(私は生む)。
＋
＝
(彼らはできる)。
＋
＝
(彼らは賞賛した)。
＋＋
＝
(私はさとるだろう)。
、の直前の、は、
その語根の直後にや子音が来るときは、
たいてい長母音化します。
＋＝
(言葉によって)。
＋＝
(彼は賭博をする)。
＋＝
(→16)(くびきは)。32によって語根に属する
がとなったときもこれに準じます。
例。
＋＝
(希望によって)。しかし、
(神聖な)、
(牽く獣)などのような例外もあります。
は、
後続する語尾などの直前ではおおむねになり、
唇音の直後にあるときはになります。
(散乱する)→
(能直現単３)。
(散らす)→
(過分)。
(満たす)→
(受直現単３)。
、
、、
は、
母音やで始まる語尾などの直前では、
、、、となります。
＋＝
(眼)。
＋＝
(征服されるべき)。
＋＝
(唱える者)。
＋＝
(牝牛にて)。
＋＝
(牝牛の)。
＋＝
(船の中)。
例。
＋＝
(風に)。
＋＝
(言われるべき)。
→
(私は言う)。しかし、
＋＝
(→21)
(風(複数)に)。
がの直前に来るときは、
になるものとになるものとがあります
(→18の備考と
21)。
例。
＋＝
(つながれた)。
＋＝
(造られた)。
および
は、
有声有気音の直後ではになり、
逆に直前にあった有声有気音が有声無気音になります。
＋＝
(得られた)。
＋
＝
(あなたたち二人は拒む)。
＋＝
(欲した)。
＋＝
(→18、
21)
(憎め)。
＋＝
(彼は称賛する)。しかし、
(6において)。
はまたはの直後では
になります。
＋
＝
(懇願)。
＋＝
(犠牲)。語末の
や
は、子音で始まる語尾にアクセントがある場合は消滅します。
例。
(撃つ)→
(過分)。
(行く)→
(過分)。しかし語根にアクセントがある場合は
は残り、
は子音およびの直前ではに変化します。
例。
(撃つ)→
(不定法)。
(行く)→
(不定法)、
(過能分)。歯擦音(
系統の音)の直前では、
も
もアヌスヴァーラになります。
例。
(思う)→
(反未単３)。
(忍ぶ)→
(反未単３)。備考 この規則は厳守されないこともあります。
は母音または
、、、、が後続し、
、、、が前方にあって、
途中に母音、喉音、唇音、
、、、以外の子音が来ないときには反舌音
になります。＋＝
(原因)。
＋＝
(信仰ある)。
(神の名)→
(単数属格)。
＋＝
(彼は取る)。備考 接頭語
はの直前ではになります
（も副作用でになります）。
＋＝
(見られた)。これ以外の子音の直前の
とは、
18に従います。
またはと同様に変化します。
例。
(見る)→
(反直言単３)、
(反過単３)。
は、、または、、以外の母音が直前にあるとき
（ヴィサルガとアヌスヴァーラのみは途中に入ってもいい）、
直後にやがこない限り、に変化します。
(弓)→
(単数属格)、
(複数主格)、
(複数処格)、
。
(語る)＋は、
(→18)＋
を経て
(彼は語るだろう)となります。
(語)＋＝
(→37)
(語中に)。しかし、
(光)の主格単数は
(→20)。複数為格は
(→32)。備考1 語末が
備考2 語根(立つ)と
備考3 語根に属する
は常に古代の有声有気音に還元されます。
(燃える)の古語は
なので、(熱)のようになります。
本来がである
は、
無声子音またはで始まる語尾の直前ではであるかのように処理されます。
本来が口蓋有声有気音
(
)である
は、
、、で始まる語尾の直前では反舌音
(
。
→46)に変化し、
、、をすべて
に変化させ、
さらに直前の母音を長母音化して自分自身は消滅します。
それ以外の語尾の直前では、
このは本来
であったものと同様の変化をします。例。
(乳をしぼる)は本来
だったので、
(よく乳が出る)。また、
＋＝
(過分)
(→42)。
(なめる)は本来
だったので、
その過去分詞は
＋＝
。
しかしどちらも、能直現単１は
、。単２は
(→19)、
となります。備考1 この区分は必ずしもはっきりしておらず、 ときどき混交することがあります。
備考2