マハーバーラタ3-52-1(2/3)
ナラ王物語-3

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

ブルハダシュヴァは言った。

♪かの神々たちにこういわれて、かのニシャダ国王(ナラ)は再び言いました。
「しっかり守られた宮殿に私がどうして入ることができましょうか」
「あなたは入ることができるだろう」と、インドラは彼に重ねて言いました。
「そのようにします」と言って、彼はダマヤンティーの住む家に行きました。
ナラは王女の家で、お供の者たちの群れに取り巻かれ、美しい姿と美しい容貌とによって強く光輝いており、とてもやわらかな身体を持ち、細い腰を持ち、美しい眼をもち、自身の輝きによってまるで月の輝きを凌駕するような王女を見ました。
にっこりほほえむ彼女を見るやいなや、彼の愛は増したのですが、自分の言葉の真実を守ろうと思って、心の中に潜む愛を抑制しました。
すると、かの高貴な女性たちは、ナラを見て動揺し、彼の輝きに圧倒されて座席から飛び上がりました。そして、驚愕でいっぱいの彼女たちは非常に喜んでナラを賞賛しました。そして、彼には話しかけず、むしろ心の中で尊敬しました。
「ああ、このお姿、ああ、この魅力、ああ、心の大きな人のこの堅固さ。この男は誰だろう。神かヤクシャか、ガンダルヴァか」
しかし内気な高貴な女性たちは、彼の輝きに圧倒されて、彼に何一つさえも言うことができませんでした。
しかし一方で、驚いたダマヤンティーは、ほほえんでいる彼、すなわち勇士ナラに、ほほえんでから話しかけました。


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