マハーバーラタ 3-51-11

ナラ王物語2-2/3
デーヴァナーガリーはランマンのリーダーのものをそのまま使用。
入門用に過剰な分かち書きをしているので注意。
30、33以外すべて韻文、ブルハダシュヴァのセリフなので、[詩]表記および(ブルハダシュヴァ)「」表記を略。

24. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男単処	この
    	副	まさに
    	名男単処	時に
    	接	一方
    	名男複属	神々の
    	名男幹	聖仙
    	形男両主	最上の

    
    日本語訳…… 一方、ちょうどこのときに、神々のうちで最上の聖仙二人が、
    備考……
    
    
25. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	←反現分男両主	散歩する
    	(＝)形幹	偉大な
    	名男両主	魂が
    	名男幹	(神名)
    	名男単対	世界(を)
    	副	ここから
    	←過分男両主	行った

    
    日本語訳…… 偉大な魂である二人の聖者が、散歩しながら、ここ(人間の世)からインドラの世界へと行きました。
    備考……
    
    
26. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男単主	(人名)
    	名男単主	(人名)
    	接	そして
    	副	まさに
    	(＝)形幹	偉大な
    	名女→形男両主	知恵
    	(＝)形幹	偉大な
    	名中両主	誓い

    
    日本語訳…… この二人こそは偉大な知恵を持ち、偉大な誓いをたてたナーラダとパルヴァダであり、
    備考……
    
    
27. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男幹	神の
    	名男単属	王の
    	名中単対	住居(を)
    	反完両２	入った
    	頭	よく
    	←過分男両主	もてなされた

    
    日本語訳…… 十分もてなされて、神の王の宮殿に入りました。
    備考……
    
    
28. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男両対	彼ら二人を
    	←使絶	賞賛して
    	名男単主	インドラ神は
    	副	その後
    	名中単対	健康を
    	形中単対	不変の

    
    日本語訳…… インドラは彼ら二人を賞賛した後、その後変わりなくお元気でしたかと〜
    備考…… はなどの形で、バラモンへの「お元気ですか」という挨拶言葉になる。
    
    
29. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	能完単３	たずねた
    	名中単対	健康を
    	接	そして
    	接	また
    	代男両属	彼ら二人の
    	形中単対	すべてにわたり健康であるかを
    	名男単主	王は

    
    日本語訳…… たずねた。そしてまた王であるインドラは、彼ら二人に、すべてにわたって健康であるかとたずねた。
    備考……

    • やに注意。前部分のととが結ばれているのではない。 前部分から続く文はいったんで切れている。それと、ここの文とがなどで接続されているのである(A B で、Bが複数語からなるとき、はBの２番目に来る)。こちらの文の主語は末尾の(王＝インドラ)で、述語が前文と同じ「たずねた」なので省略されている。
    • ここも次もそうだが、「Aは健康だ」というとき、Aが属格になるようである。
    • この部分を鎧先生は「また世の王たちも、あまねく息災なるか尋ねました」と訳している。たしかに31-32のナーラダの答えは「私たちは健康だ。世の王たちも健康だ」なので、それに対応させればそういう訳になるのだろうが、しかしこの文はあくまで「あなたがた二人は健康か」である。ランマンも註でそのように訳している。

    
    
    
30. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男単主	(人名)は
    	能完単３	言った

    
    日本語訳…… ナーラダは言いました。
    備考……
    
    
31. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代両属	私たち二人の
    	形中単主	健康な
    	名男単呼	神よ
    	形中単主	完全な
    	名男単呼	主よ

    
    日本語訳…… ナ「主なる神よ、私たち二人については健康であり完全です。」
    備考…… とは修飾関係。どちらがどちらを修飾しているのかは微妙だが、いずれにせよまとめて訳す。
    
    
32. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男単処	世界において
    	接	そして
    	名男単呼	インドラよ
    	形男単処	すべての
    	名男複主	王たちは
    	形男複主	健在の
    	名中単呼	王よ

    
    日本語訳…… ナ「王であるインドラよ、またすべての世界で、王たちは健在です」
    備考……
    
    
33. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男単主	(人名)は
    	能完単３	言った

    
    日本語訳…… ブルハダシュヴァは言った。
    備考…… 31-32がナーラダのセリフなので、確認の意味で挿入したのだろうが、 31-32はブルハダシュヴァの語りの中のセリフであるから本来不要である。
    
    
34. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男単属	(人名)の
    	名中単対	言葉を
    	絶	聞いて
    	能完単３	たずねた
    	名男単主	インドラは

    
    日本語訳…… ナーラダの言葉を聞いてインドラはたずねました。
    備考…… (魔神バラ)はよくと書かれる。
    
    
35. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	形男複主	自己の義務を知っている
    	名男複主	王たち
    	←過分幹	捨てる
    	名中幹	生命
    	名男複主	戦士たち

    
    日本語訳…… イ「自己の義務をわきまえている王たち、(戦いでは惜しげなく)生命を捨てる戦士たち」
    備考……
    
    
36. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名中単具	刀で
    	名男単対	死地を
    	副	時が来れば
    	代男複主	〜する者たち
    	能現複３	行く
    	形男複主	かえりみない

    
    日本語訳…… イ「刀を持ち、時がくればかえりみずに死地に行くものたち」
    備考……
    
    
37. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男単主	この
    	名男単主	世界は
    	形男単主	不滅の
    	代男複属	彼らの
    	接	〜ように
    	副	こそは
    	代単属	私の
    	形男単主	望みのままに授けあたえる

    
    日本語訳…… イ「この不滅の世界(＝インドラの天)は、私にとってまさにそうであるように、彼らにとって望みのままのものを授けてくれる土地であるのに」
    備考…… ランマンによればは直後ののみにかかるようだ。
    
    
38. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	副	どこに
    	副	まことに
    	代男複主	かの
    	名男複主	王族たちが
    	名男複主	武士たちが
    	副	ない
    	副	まことに
    	能現単１	見る
    	代複対	彼らを
    	代単主	私は

    
    日本語訳…… イ「いったい彼らはどこにいってしまって、私は彼らを見ないのであるか？」
    備考…… には次句〜以下がかかっているので、先に次句を訳すべき。
    
    
39. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	←能現分男複対	来る
    	名男複対	王たちを
    	名男複対	客たちを
    	←過分男複対	いつくしむ
    	代単属	私の

    
    日本語訳…… イ「私のいつくしむ客人として来てくれる王たちを(私は見ない)」
    備考…… 鎧先生の註によれば、武士たちはちょくちょくインドラのところに行くものらしい。 彼らがごぶさたなのでインドラはこうたずねているのである。
    
    
40. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	副	このように
    	←過分男単主	言われた
    	接	一方
    	名男単具	インドラによって
    	名男単主	(人名)は
    	反過単３	答えた

    
    日本語訳…… 一方、インドラにこう言われて、ナーラダは答えました。
    備考……
    
    
41. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	能命単２	聞け
    	代単為	私に
    	名男単呼	尊者よ
    	接	〜するために
    	副	ない
    	受現複３	見られない
    	名男複主	王たちが

    
    日本語訳…… ナ「尊者(＝インドラ)よ、王たちが見られないのであれば私にお聞きください」
    備考…… は為格にしておいたが属格かもしれない。「私から聞け」という場合、どちらもありうると思う。
    
    
42. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男幹	(国名)
    	名男単属	王の
    	名女単主	娘は
    	名女単主	(人名)
    	接	〜と
    	←過分女単主	名づけられた

    
    日本語訳…… ナ「ヴィダルバ国の王の娘に、ダマヤンティーという名の娘がおり」
    備考……
    
    
43. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名中単具	容貌によって
    	→過分女単主	しのぐ
    	名女単処	大地において
    	形幹	すべての
    	名女複対	少女たちを

    
    日本語訳…… ナ「容貌によって、大地のすべての女をしのいでいます」
    備考……
    
    
44. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代女属	彼女の
    	名男単主	婿選びが
    	名男単呼	インドラよ
    	形男単主	行われようとしている
    	形中単従	まもなく
    	接	まるで〜のように

    
    日本語訳…… ナ「インドラ様、彼女の婿選びがもうまもなく行われようとしています」
    備考……
    
    
45. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	副	そこへ
    	能現複３	行く
    	名男複主	王たちが
    	名男複主	王子たちが
    	接	そして
    	副	全般的に

    
    日本語訳…… ナ「王たちと王子たちとが、ことごとく、そこへ行っているのです」
    備考……