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VCD、DVDを見る方法

Since 2005/9/23 Last Updated



  1. VCDって何だ?
     VCDというのは音楽CDやCD-ROMと同じタイプのメディアにビデオ画像を記録したものです。いわばDVDの前身といえます。DVDにくらべて圧倒的に記憶容量が少ないCDメディアに無理やりビデオ画像をおさめているため、画質も音質も悪いのはいたし方ありません。
     日本ではLPサイズのLDがある程度普及してしまったためにVCDはちっとも普及せず、いきなりDVDに移行した感がありますが、アジア諸国ではけっこうVCDが普及し、映画やポップスなどがVCDに記録されて売られています。その分逆にDVDへの移行が遅れているといえるかもしれません。
     日本でも最近はインド人、パキスタン人が集まる町にハラル・フードなどの食材を扱った店がぽつぽつあり、そういうところには映画やポップスを記録したメディアがいっぱい売られているので、それを目的にそういう店をのぞく日本人も多いことでしょう。もちろん映画ならDVDもあり、ポップスなら音楽CDもあるんですが、やはり圧倒的に多いのはVCDです。
     映画の場合は、DVDだと英語などの字幕がついていますが、VCDではついていないことも多いので、できる限りDVDをお買いになることをお勧めします。が、音楽の場合はそうもいきません。こういう店では音楽CDはあまり売られておらず、ほとんどはボリウッド映画のミュージカルシーンばかりを集めたVCDだからです。
     で、そういうところでVCDを買ってきて、「これ、どうやってみるんだろう」と悩んでいる人も多いかと思います。
     そんなあなたのために、VCDの見方をまとめておくことにします。



  2. DVDプレーヤーで見る
     日本ではVCD時代を飛び越してDVD時代に突入してしまったので、VCD専用のプレーヤーというのはほとんどありません。電気店で売っているのはDVDプレーヤーばかりです。しかし、ほとんどのDVDプレーヤーではVCDを再生することができるので、まずは手持ちのDVDプレーヤーに入れて再生できるかどうか試してみましょう。もし再生できれば何も問題はないのでこの項の以下の部分は読み飛ばしてください。
     最近、VCDが過去の遺物になりつつあるのにつれて、VCD再生機能を割愛した機種も増えてきました。あなたの手持ちのDVDプレーヤーが不幸にしてそういう機種だった場合は、あきらめて次の「Windowsパソコンで見る」を試してみてください。しかし、テープに録画して見たり、居間にある大画面テレビにつないで見たりするためには、パソコンでは不可能とはいいませんがいろいろ面倒で、やはりビデオ端子のあるDVDプレーヤーでみるのが便利です。
     DVDプレーヤーはぴんきりで、安いものだと数千円で入手できると思います。最近は売れ筋商品はDVDレコーダーに移行しているので、録画機能のない再生専用のDVDプレーヤーならずいぶん安く手に入るはずです。
     「安いDVDプレーヤーで、VCDも見られるやつを買おうか」という場合、カタログや店頭に記されたスペックで、VCDを見られるかどうか確認してください。ひょっとしたら機械の前面などに次のようなロゴがいろいろ書いてあるかもしれません。それは、その機種でどういうメディアが再生できるのかを示しています。VCDのロゴは下の表の真ん中です。左のCDと紛らわしいですが、下がDIGITAL VIDEOとなっている点が違います。
    音楽CD VCD DVD

     なお、DVDには後述のようにビデオ方式の違いが関係してくるのですが、VCDではそんなことはありません。PAL方式の国のVCDでも問題なく再生できるはずです。



  3. Windowsパソコンで見る
     VCDは基本的に音楽CDやCD-ROMと同規格なので、パソコンのCD-ROMドライブ(もちろんCD-R、DVD-ROM…などを含む)ではVCDを再生することができます。
     最近のWindowsマシンではソフトがたくさんプレインストールされているものが多く、このようなマシンでは最初からVCDを再生できるようなプレーヤーソフトがインストールされていると思います。まずはパソコンについてきた、添付ソフトのマニュアル類を点検してみましょう。音楽CDプレーヤーと一緒になっている可能性も多いです。また、通常は音楽CDはオート起動設定されているはずですが、VCDの場合は必ずしもオート起動設定されておらず、手動でソフトを立ち上げなければいけないことが多いです。CD-ROMドライブにVCDを入れたのにうんともすんともいわないからといって、「私のパソコンではVCDは見られない」と思うのは早のみ込みです。
     不幸にして、VCDを入れたのに再生ソフトが自動起動しなかった場合は、Windowsに標準添付されているメディアプレーヤー(Windows Media Player)を起動してみましょう。スタート − プログラム − アクセサリ − マルチメディア(あるいはエンタテインメント)のところにあります。
     起動したら、ファイル−開く、で「参照」ボタンを押し、CD-ROMドライブの Mpegav というフォルダを見てみます。ここで、古いメディアプレーヤーだとファイルがいくつか表示されるはずなんですが、新しい(7.1以降かな?)メディアプレーヤーでは、あれれれ、何も表示されません。このときはあわてずに「ファイルの種類」を「メディア ファイル(すべての種類)」から「すべてのファイル (*.*)」に変更します。.DAT という拡張子のファイルが1つ、あるいはいくつか表示されるはずです。ファイル名はCDによって異なりますが、たとえばAVSEQ01.DAT、AVSEQ02.DAT……のように、末尾が01、02のように連番で2つ以上のファイルが出てくると思います。最初のほうのいくつかはメニュー画面用の画像になっているのがほとんどなので、適当にはしょってみてください。
     ファイルを開くと画面が開いて、あなたのパソコンではビデオの再生が始まっているはずです。あるいはスタートボタンを押すのが必要な場合もあります。

     また、メディアプレーヤーの競合製品であるリアルプレーヤーでも同様の方法で再生できますし、フリーウェアでも使いやすいVCDプレーヤーがいろいろあるので試してみるとよいでしょう。
          http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win95/art/movie/index.html
    などから、VCDプレーヤーをダウンロードしてみるというのもよいと思います。
     また、パソコンのGraphic Card(Video Card)に付属しているソフトでも優秀な再生ソフトがあります。

    参考サイト(http://www.geocities.com/Tokyo/2799/vcd.html)




  4. DVDの落とし穴
     「DVDくらい見られるよ」と思ったら大間違いです。インド映画関連のDVDには次のような落とし穴があります。
    1. リージョンコード……DVDにはリージョンコードというものが設定されています。これは、他地域のDVDを再生できないようにするためのプロテクト機構であり、「アメリカでの公開が終わって他国で映画を公開するときに、すでにアメリカ国内で売られているDVDが他国に輸出されてしまうと、映画の興行収入に影響する」というハリウッドの思惑で作られたプロテクトです。アメリカは1、日本やヨーロッパは2、韓国・台湾・香港・東南アジアは3、インドやパキスタンは5に設定されており、DVDメディアに記録されたリージョンコードとプレーヤーのリージョンコードが異なる場合には再生することができません(この項では以下、DVDメディアに記録されているほうを「リージョンコード」、プレーヤー/ドライブの設定のほうを「リージョン」と記します)
       インド映画の場合はリージョンコードがフリーになっている(DVDメディアにリージョンコードが記録されておらず、すべてのリージョンのプレーヤーで再生できる)ものが多く、あまりこれは問題になりませんが、一応そういう問題があるということは頭の片隅にとどめておいてください。
       上述のようにリージョンコードプロテクトはハリウッドの思惑でできたので、アメリカ以外の国にとっては迷惑千万、だからそういうプロテクトがかかっているのはアメリカで発売された映画のDVDだけだ、と思いきや、実は日本で出ているDVDのほとんどはリージョンコード2に設定されています。われわれは日本製のプレーヤーを使っているので気づきませんが、他のリージョンに設定されているプレーヤーを使っていると、「あれ、再生できないぞ」ということになってしまいます。
       また、韓国はリージョンコード3ですが、当初は韓国で発売された映画のDVDはほとんどがリージョンフリーでした。ところが日本で韓流の風が吹き荒れ、韓国映画やドラマの人気が高まり、韓国作品の日本版DVDが発売されるようになると、韓国で発売されるDVDにもリージョン3が設定されるようになりました。韓国のDVDの値段は安いので、韓国のDVDを買っちゃうと日本版が売れなくなっちゃうというわけです。リージョンコードプロテクトは内外価格差を守る役割も果たしているようです。
    2. TVシステム……世界のTVシステムには日本・アメリカ・韓国・台湾などで使用されているNTSCのほかに、主にヨーロッパで使用されているPAL、フランスおよびその影響の強い国で使用されているSECAMという方式があります。DVDに記録された動画もこのTVシステムに依存しています。このため、NTSC方式のプレーヤーでは、PAL方式で記録されたDVDを再生することはできません。強引にPALのDVDをNTSCのプレーヤーで再生すると音声は正常に再生されますが画面が上から下に流れて見られたものではありません。ですから正確にはプレーヤーの問題というよりそれに接続するモニタつまりテレビの問題であり、PAL方式のテレビを接続すれば正しく見られるはずです。いずれにせよNTSC方式の再生装置では正常に再生できません。
       逆にPAL方式のDVDプレーヤーは、ほとんどが内部にNTSC→PALの変換機構を備えているので、NTSCのDVDを再生することが可能です。だから香港では、TVもビデオもPALなのに、DVDソフトだけはNTSCものもけっこうあったりします。NTSC方式である台湾への輸出を考えてそうしているのでしょう。もっとも中国(大陸)がPALなので、PALのDVDもけっこうあったりします。
       さてインドはPAL方式なので、DVDもPALかと思いきや、このような事情でけっこうNTSCも存在します。しかしヨーロッパで作られたものやヨーロッパ輸出を前提にしたもので、PALも出回っているので注意が必要です。この点はほんとうに注意が必要で、パッケージの裏側の下のほうに小さい字でデータが記されている部分を目をこらして読むしかありません。日本のハラルフード屋で売られているDVDはまずNTSCですが、インターネット通販で入手する場合はしっかり確認することです。
       なお、パソコンで見る場合はどちらでも見ることができます。
    3. 不良品……けっこうあります。特定のチャプターだけ再生できないとか、ひどい場合は全くダメということがあります。この点については、インド映画関連サイトでいろいろ情報交換をしているので、こまめに情報をチェックすることです。良心的なハラルフード屋では再生可能かどうかチェックして売ってくれたりしますが、最初だけよくても途中の一部のチャプターがダメなどということもあるので、運を天に任せるしかありません。そういうものだと悟りを開いてください。ドライブとの相性もあり、ドライブを変えると再生可能になったりしますので、ドライブは複数台所有しておくと便利です。買い換えの際に古いドライブを捨てないようにしましょう。

     リージョンコードとTVシステムの問題を本気でクリアするためには、すべてのリージョンコードとTVシステムに対応したプレーヤーがあるので、それを入手するのも一つの手です。本気でアジア映画との付き合いをやっている人はたいてい持ってます。海外DVD取り扱い店や通販サイトで案内しているので問い合わせてみてください。
     またパソコン上のDVD再生ソフトでは、最初に5回だけリージョンを変更できるものがほとんどです。それをすぎるとリージョンが固定されてしまいます。最近ではパソコンが安いので、特定のリージョンのソフトを多く見るという人は、どれか1台をそのリージョンに変更してしまうという手もあります。
     パソコンには複数台のDVDドライブを接続することができますが、リージョンはそれぞれのドライブごとに設定されており、DVD再生ソフトによるリージョンの初期変更もドライブごとに行われています。ですから「リージョンを変えちゃったらもう日本のリージョンコード2のDVDが見られなくなっちゃうよ」と躊躇なさっている方は、外付けDVDドライブ(本体にドライブベイの余裕があるなら内蔵でももちろんOK)を接続するという手もあります。たとえば私はパソコンの内蔵ドライブをリージョン3(韓国・台湾・香港仕様)にして、日本のソフトを見るときには外付けDVDドライブを利用しております。

    参考サイト
    DVD.co.jp (リージョンフリープレーヤーをいろいろ扱っています)
    海外電気CLUB (リージョンフリープレーヤーをいろいろ扱っています)




  5. DVD字幕を有効に使う
     DVDでは字幕が動画と別に記録されているので、字幕をオン/オフしたり、複数の言語の字幕から選択できるようになっていたりするものがあります。
     インド映画の場合はほとんど英語字幕がついていますが、私のように英語が苦手な人は、これを見てもよくわかりません。英語字幕をメモして辞書をひくのも大変です。
     そこでパソコンを使って事前にこの英語字幕データをすべて読んで印刷する。あるいは字幕データを適当な英→日翻訳ソフトにかけてしまう、という手があります。
     このためにはDVDのデータをパソコンのハードディスクに吸い上げてしまうリッピングソフトと、さらにそこから字幕データを読むソフトが必要です。どちらもフリーでよいソフトがあります。後者はSubRipというソフトがいいでしょう。簡易OCR機能があるので、字幕データをテキストファイルとして保存することもできます。画像適当な検索エンジンでSubRipと入れて検索すると、このソフトの使い方や入手先を記したサイトがいろいろ見つかります。そういうところではDVDのリッピングソフトの使い方や入手先もわかります。
     以下に、このようなソフトの入手先の一例を記しておきますので、いろいろ試してみてください。

    参考サイト
    DVDをコピーしよう(DVD Decrypter入手先、使い方)
    SubRip入手先
    インド映画 字幕のお部屋(上記ソフトの使い方)





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