[サンスクリットページ雑感集・技術情報]

ビルマ文字

Since 2004/8/21 Last Updated 2006/5/13


おことわり:(2006/5/13)
 このページには主に非Unicodeビルマ文字フォントに関する情報が掲載されていますが、その後にUnicode対応ビルマ文字フォントが数種類出回るようになったので、現在ではこのページの情報は古くなってしまいました。その点をご了承ください。
 なお、Unicode対応ビルマ文字フォントの入手に関しては、次のリンク集が有用です。

David McCreedy's Gallery of Unicode Fonts

 はじめにお断り。 当サイトでは(少なくとも私は)ミャンマー語という呼称を用いず、 伝統的な「ビルマ語」という呼称を用いることにする。 ついでに国・地域名を言うときもビルマということにする (ああ、昔朝鮮半島にかかわっていたとき、 言語の名前について何度こういう不毛な争いをしたことだろう)。
 目下サンスクリットに力を入れている私がビルマ語に浮気している暇などまったくないのだが、 なぜビルマ文字を打ちたく思うかには理由がある。
 実はこっそり「まんどぅーかのパーリ語ページ」を準備しているのだが、 そこで使う文字が問題になる。 ご存知のとおりパーリ語はスリランカ、 ビルマ、 タイ、カンボジア、ラオス、 各国でめいめい異なる文字で書かれており、 統一した文字がない。 そのうちのどれを使おうかというわけである。
 もちろん基本的にはローマ字だけでいくつもりである。 統一した文字がないということはローマ字だって立派なパーリ語を表記する文字といえるのだ。 ここでは、ホームページなどに使う画像のような、お遊び、飾りとしての文字の話。 サンスクリットページではローマ字とデーヴァナーガリー、 ウルドゥー語/ヒンディー語ページではデーヴァナーガリーとペルシア文字で書いてあるでしょう。 あれをどうするかということである。 実は「まんどぅーかネット」はサンスクリットでもパーリ語でもまったく同じ、 になってしまうから、 デーヴァナーガリーやローマ字じゃまずいんだな。
 Unicodeでは(スリランカの)シンハラ文字、 ビルマ文字、タイ文字、ラオ文字がサポートされているようであるが (クメール文字サポートしなくていいのかな?)、 このうち目下Windows XPで入力できるものといえばタイ文字だけである。 他の文字はコードを打ってもArial Unicode MSに入っていないので表示されない。
 タイ文字を使ってもいいんだけど、いまいちあれはインドっぽくないんで、 できればシンハラ文字を使いたい。 ただ、私の力ではシンハラ文字のフォントを配布しているサイトを発見できず、 ビルマ文字のフォントは発見したので、とりあえずこれでいくことにしたというわけである。
その後次のサイトからシンハラ語のフォントは入手できた。 現在いろいろ調査中である。
http://www.info.lk/slword/news.htm
 私が見つけた無料ビルマ語フォントは次のサイトで配布しているものである。

Nowdawon(英国. 英語)

 これは、英数字部分をフォントを変更することによって擬似的にビルマ語に見せるというしかけである。 一昔前、Windows95の時代あたりまでは、 Windows自体が、またその上のブラウザや各種ソフトがまだ多言語に対応しておらず、 そういうころに出たKorean Writer(高電社)のような朝鮮語ユーティリティは、 日本語のコードにハングルをわりあてて、 フォントを切り替えることによって擬似的に韓国語に見せていた。 ちょうどその要領というわけである。
 上のサイトでは4種類のフォントを配布しているが、 Aung SanやSuu Kyi(スーチーね)などでは一部結合文字がうまく処理されないので、 結合文字ががんがん出てくるパーリ語用としては、Burmese_1がいいようである。 以下はBurmese_1だけをとりあげる。
 まず、キーボードレイアウトは次のようになる。

 これは英語用の101キーボードでの話である。 日本語キーボードの場合、特殊記号の位置が違うので、次のようになる。

 私はビルマ文字の読み方はなかなか覚えられないと思うので、 次のような表を頼りにしないと入力できない。 それにしても、似たような字形の文字を同一にしてしまったり、 組み合わせでできてしまうものは組み合わせで入力するようになっていたり、 論理的には後にくる音素でも物理的に左に来るものは先に入力しなければならなかったり、 なかなかやっかいではある。
 念のため書くが、の文字はデーヴァナーガリーのみたいに左からかぶせる方式。 それからは左右からかぶせる。 の2文字用、1文字用というのは、 2文字用の記号をマル1つ分の文字に使っちゃうと、 たとえばの文字にの記号をつけちゃうと、 の文字になってしまうので、 マル1つ分の文字には1文字用のやつを使うのである。
 の記号は、のあとでは長いやつを使う。 具体的にはシフトKとシフトLを使って入れる。
 は独立形のと同じだが、ホントは最後がちょっとハネる感じになる。 これは用意されていないようだ。 現代ビルマ語ではのほうの字形を使うからだろうか。 それからは、 下の横線が短くなる。 これもちょっと処理のしようがない。
音価    
文字    
キー t| OD jo    
音価 (2文字用) (1文字用) (2文字用) (1文字用)  
文字  
キー |(縦棒) l(L小文字) aと|(縦棒) aとg  
音価    
文字    
キー    
音価    
文字    
キー c| ps    
音価      
文字      
キー      
音価
文字
キー
音価 ヴィラーマ  
文字  
キー  
音価    
文字    
キー 0(ゼロ)    
音価          
文字          
キー          
 なお、本来は英数字である文字をフォントを変えることで擬似的にビルマ語に見せているだけなので、 コンピュータから見ればあくまでこれは英数字(ラテン文字)である。 だからメールなどに用いても無駄である。 まあ相手も同じフォントを用意してあり、 かつホントの英数字とまぜたりしないとか、 ここからここまでがビルマ語だよという範囲を指定するなどすりゃ別だけどね。 ましてやWEB作成になんか使えないので、 あくまでローカルにこのフォントを使って作ったものを画像ファイル化して使うことになる。
 思いもよらないことも起こる。 最初Microsoft Word上で使っていたら、 なぜかスペースキーを打つと文字が入力されるのだ。 具体的には、左側があいた輪、 上の表では日本語キーボードの_(下線)の位置にある文字(対照表にナシ)である。 何かと思ったら、半角スペースの表示記号だった。 そう、私はWordではスペースだの改行記号だのをすべて表示するようにして使っていたのだが、 それらの記号類までがこのフォントの使用によって別の文字になっちゃったわけだ。 このフォントを使うときだけは半角スペースを非表示にすればいいわけであるが、 こんなことは他のフォントでは起こりえないだけに、びっくりしてしまった。

 上述のように、 細かいところでいろいろ打てない文字があるし、 の左要素を先に入力しなければならないのがつらく、 プログラムでローマ字→ビルマ文字変換をしようとすると、 先読みが必要になって面倒くさい。 システム的にしっかりサポートされていない文字の使用はつらいものがある。 将来(ないと思うが)もしパーリ語をローマ字以外の文字で書かねばならなくなったら、 タイ文字かデーヴァナーガリーのほうが楽だね、これは。

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