ラーマーヤナ2-24-1(1/2)
シーターの懇願

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

♪こういわれてシーターは、しかし愛らしく、やさしい言葉をかけて、夫に怒って率直に、こう言った。
「ラーマよ、どうしてつまらないことによって、このようなかたくなな言葉を語るのですか。あなたが言ったことを聞いて、私には冗談のようでした。刀や矢に通じた勇士である王子の言葉としては、あなたが言ったことはふさわしくなく不名誉で、聞きたくないものです。
だんな様。父や母や兄弟や息子や義理の娘は自分の清らかな行為の報いを享受し、自分の運命に従います。しかし妻だけは夫の運命を受け入れるのです。だから私にも、森に住めと言ってください。 この世でも、死んでも、いつも妻たちにとっては夫だけが頼りです。父でも息子でも自分でも母でも女友達も最終的に頼れる者ではないのです。
ラーマよ、もしあなたが今日どうしても人の行きにくい森へと出発するのなら、私はあなたの先にたって、クシャのいばらを踏みつけながら行きましょう。私に罪がないならば、自信をもって私を連れていってください。王宮の片隅にいるのであれ、空中を車で行くのであれ、空中を歩いて行くのであれ、夫の足のかげが入るすべてのところに私は行きます。私は人のいない、人が行きにくい、さまざまな野獣の群れに満ち、虎の群れの住む森へと行きましょう」

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