デーヴァナーガリー


(近代の)サンスクリットおよびヒンディー語、マラーティー語、 ネパール語などを表記するための文字。 「ナーガリー(文字)」と略すこともある。 上部にシロレーカーと呼ばれる一本の横線が貫かれるのが特徴。
成立は8〜10世紀ごろとされる。 だからそれ以前のサンスクリットはさまざまな文字で書かれており、 その中には日本でよく見かける梵字もあるが、 現在ではもちろん昔の文献もデーヴァナーガリーに転写されているので、 考古学でもやらない限り、デーヴァナーガリーを覚えておけば十分。 逆に、ヨーロッパではローマナイズされていることが多いが、 インドではデーヴァナーガリーで出版されていることが多いので、 いずれはデーヴァナーガリーを読めるようにならねばならない。 ただ、サンスクリットの複雑な語形変化を記述するのに、 音節文字であるデーヴァナーガリーは不向きなところがあるので、 初等文法の間はローマ字で勉強するほうがいい。