[補講 by まんどぅーか]

意欲動詞 強意動詞


  1. 意欲動詞と強意動詞
     意欲動詞も強意動詞もめったに出てこないので無視してもいいのですが、 たまに出てきたときにわかる程度に、 頭の片隅にとどめておくだけにしてください。
     前講でやった使役動詞と同様に、語根に一定の操作を加えて、 「意欲動詞」「強意動詞」という派生形を作ることができます。 細かい話は本編にまかせることにして、 ここでは大原則だけまとめましょう。
     意欲動詞強意動詞
    意味 〜しようと思う。欲する しきりに〜する。激しく〜する
    作り方 語根を重複させてまたはをつける(になること多し) 語根を重複させる。反射態はさらにをつける(実質的に反射態のみ)
    重複のしかた 母音をにする。ただし語根母音がのときは 母音をグナまたはヴリッディにする
    例()
     このように、どちらも重複によって語幹を作ります。 あとは第1類動詞などと同様に活用します。 アオリストはアオリスト、 完了は複合完了になります。 詳しくは変化表を見てください (→意欲動詞強意動詞)。

  2. 重複で作る形のまとめ
     意欲動詞も強意動詞も重複によって語幹を作る点で共通しています。 これで重複は何箇所に出てきたのでしょうか。 そう、現在第3類、重複アオリスト、完了、 そして意欲動詞、強意動詞というわけで、計5箇所というわけですね。 ここらでまとめておきましょう。
    種類特徴
    現在第3類
    • 現在第3類動詞のみ(当たり前)。
    • 現在、過去、願望法、命令法の語尾になっている。
    • 重複部の母音は元の母音を短くしたもの。ただし語根母音がの場合は重複部は
    • 語根部の母音は強語幹ではグナになる。
    重複アオリスト
    • 本来の重複アオリスト動詞は(愛する)、(行く)、(走る)、(流れる)だけだが、第10類、使役動詞、名詞起源動詞(次講)のすべてがこれを用いる。
    • 最初がで、語尾はアオリスト語尾(=過去語尾)。
    • 重複部の母音の長さは元の母音と逆(元が長ければ短く、短ければ長い)。
    完了
    • ほとんどすべての動詞。
    • 語尾は完了語尾。
    • 重複部の母音は元の母音を短くしたもの。ただし語根母音がや二重母音の場合は重複部は
    • 語根部の母音は強語幹ではグナになる。
    意欲動詞
    • ほとんどすべての動詞。
    • 語尾はふつうの動詞と同じ。
    • 語尾の前にまたはが入る。
    • 重複部の母音はまたは
    強意動詞
    • ほとんどすべての動詞。
    • 語尾はふつうの動詞と同じ(実質的に反射態のみ)。
    • 語尾の前にが入る。
    • 重複部の母音はグナかヴリッディ。
     細かな例外を除けば、大まかな傾向としてこうなっているはずです。 あとは、それらしいものが出てきたら変化表などで確認すればいいことです。