マハーバーラタ 3-51-1

ナラ王物語2-1/3
デーヴァナーガリーはランマンのリーダーのものをそのまま使用。
入門用に過剰な分かち書きをしているので注意。
1以外すべて韻文、ブルハダシュヴァのセリフなので、[詩]表記および(ブルハダシュヴァ)「」表記を略。

1. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	名男単主	(人名)は
   	能完単３	言った

   
   日本語訳…… ブルハダシュヴァは言った。
   備考……
   
   
2. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	名女単主	(人名)は
   	接	一方
   	代中単対	その
   	絶	聞いて
   	名中単対	言葉を
   	名男単属	ハンサ鳥の
   	名男単呼	バラタ王族よ

   
   日本語訳…… バラタ王の後裔である(ユディシティラ)大王様、一方ダマヤンティーは、ハンサ鳥のその言葉を聞いて、
   備考……
   
   
3. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	副	その時
   	前	〜以来
   	副	ない
   	形女単主	健康な
   	名男単対	(人名)を
   	前	〜に対して
   	能完単３	あった
   	代女単主	彼女は

   
   日本語訳…… それ以来彼女はナラに対して健康でなくなりました(思い悩みました)。
   備考……
   
   
4. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	接	かくて
   	名女幹	思案
   	形女単主	[語幹]に専念する
   	形女単主	悲嘆にくれた
   	形女幹	青ざめた
   	名中→形女単主	顔
   	形女単主	やせた

   
   日本語訳…… かくて彼女は思案にくれ、悲嘆にくれ、青ざめた顔になり、やせこけました。
   備考……
   
   
5. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	能完単３	あった
   	名女単主	(人名)は
   	接	一方
   	名男幹	ため息
   	形女単主	ただ〜だけをする
   	副	その後

   
   日本語訳…… 一方それから彼女はため息ばかりをつくようになりました。
   備考……
   
   
6. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	形幹	上方の
   	名女→形女単主	見ること
   	名中幹	瞑想
   	形女単主	[語幹]に専念する
   	能完単３	あった
   	(←)過分幹	気が狂った
   	形女単主	〜のように見える

   
   日本語訳…… 虚空をみつめ、瞑想にふけり、気が狂ったように見えました。
   備考……
   
   
7. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	形幹	白色の
   	名男→形女単主	容貌
   	副	瞬間に
   	接	さらに
   	名男幹	愛
   	過分幹	〜で一杯になった
   	名中→形女単主	意識

   
   日本語訳…… さらに一瞬、愛で一杯の心で、青ざめた容貌になりました。
   備考……
   
   
8. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	副	ない
   	名女幹	寝台
   	名中幹	座席
   	名男複(DV)処	食事
   	名女単対	満足を
   	能現単３	獲得する
   	副	いつ
   	副	(不定)

   
   日本語訳…… ベッドで寝ていても椅子にすわっていても食事をしていても、いつも満足を得られず、
   備考……
   
   
9. 
   
   
   

   語(連声前)	説明	語義
   	副	ない
   	副	夜に
   	副	ない
   	副	昼に
   	反現単３	眠る
   	間	ああ
   	接	〜と
   	能現分女単主	泣いている
   	副	再び

   
   日本語訳…… 夜も昼も眠れず、ああ、ああと再三泣いてばかりいました。
   備考…… 鎧淳『ナラ王物語』のテキストでは、この句の次に、次のような１句がある。
   

   
   (鎧訳：供のものたちは、身振り、挙動から、このような姿の姫が病と悟りました)

   
   
   
10. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	接	かくて
    	名男幹	(国名)
    	名男単為	首長に
    	名女単属	(人名)の
    	名女幹	女のお供
    	名男単主	集団は

    
    日本語訳…… かくて、ダマヤンティーのお供の者たちは、ヴィダルバ国王(ビーマ)に、
    備考……
    
    
11. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	←使能過単３	知らせた
    	頭	(否定)
    	形女単対	健康な
    	名女単対	(人名)を
    	名男単呼	王よ

    
    日本語訳…… ダマヤンティーが不健康であると知らせたのです、王様(＝ユディシティラ)。
    備考……

    • 「知らせた」の主語はダマヤンティーに仕える女のお供たちなのだが、(集団)が男性単数名詞なので、動詞は３人称単数になっている。
    • 「不健康なダマヤンティーを」を「ダマヤンティーが不健康だと」と訳すべきことが、ランマンの註に書いてある(従属節のような意味で形容詞を用いる用法)。

    
    
    
12. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代中単対	それを
    	絶	聞いて
    	名男単主	王は
    	名男単主	(人名)は
    	名女幹	(人名)
    	名女幹	女のお供
    	名男単従	集団から

    
    日本語訳…… ダマヤンティーのお供たちからこれを聞いたビーマ王は、
    備考……
    
    
13. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	能完単３	考えた
    	代中単対	その
    	名中単対	なすことを
    	形女単対	非常に大きな
    	形女単対	自分の
    	名女単対	娘を
    	副	〜に対して

    
    日本語訳…… 自分の娘について、非常に大きなこと(がおこっていると)考えました。
    備考…… 鎧淳『ナラ王物語』のテキストでは、この句の次に、次のような１句がある。
    

    
    (鎧訳：なにゆえわが娘は、今日甚だ健やかにあらざるか)

    
    
    
14. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男単主	かの
    	絶	見て
    	名男単主	王は
    	形女単対	自分の
    	名男単対	娘を
    	←過分幹	得られた
    	名中→形女単対	若さ

    
    日本語訳…… かの王は、若さの得られた(婚期に達した)わが娘を見て、
    備考……
    
    
15. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	能過単３	見た
    	名男単為	自分で
    	名中単対	なすことを
    	名女単属	(人名)の
    	名男単対	婿選びを

    
    日本語訳…… ダマヤンティーの婿選びを、(王)自らの手でなすべきだ、と認めました。
    備考……
    
    
16. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男単主	彼は
    	名動能完単３	招いた
    	名男複対	王たちを
    	名女複属	家々の
    	名男単呼	王よ

    
    日本語訳…… (ユディシティラ)王様、彼(ビーマ王)はさまざまな家の王たちを招きました。
    備考……
    
    
17. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	受命単３	感知されよ
    	代男単主	この
    	名男複呼	勇士たちよ
    	名男単主	婿選びが
    	接	〜と
    	名男単呼	王よ

    
    日本語訳…… (ユディシティラ)王様、(ビーマ王は)「勇士たちよ、この婿選びが感知されよ(婿選びがあると知れ)」と(言ったのです)。
    備考…… 受動の命令は、丁重な勧誘・控えめな命令を表す。
    
    
18. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	絶	聞いて
    	接	一方
    	名男複主	王たちは
    	形男複主	すべての
    	名女単属	(人名)の
    	名男単対	婿選びを

    
    日本語訳…… 一方、すべての王たちは、ダマヤンティーの婿選び(があること)を聞いて、
    備考……
    
    
19. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	能完複３	訪ねた
    	接	かくて
    	名男単対	(人名)を
    	名男複主	王たちは
    	名男幹	(人名)
    	名中単従	命令から

    
    日本語訳…… かくて王たちは、ビーマ王の命令に従い、ビーマ王を訪ねました。
    備考…… 次の20-21を訳してからここを訳すべき。
    
    
20. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	名男幹	象
    	名男幹	馬
    	名男幹	戦車
    	名男単具	騒音で
    	← ←使現分男複主	満たしながら
    	名女単対	大地を

    
    日本語訳…… 象や馬や戦車の騒音で大地を満たしながら(大地いっぱいに響かせながら)、
    備考……
    
    
21. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	形幹	種々の
    	名中幹	花輪
    	名中複具	装飾品
    	名男複具	軍勢で
    	←動形男複具	見られるべき
    	頭	よく
    	←過分男複具	飾られた

    
    日本語訳…… 種々の花輪や装飾品をつけ、見栄えよく飾られた軍勢を従えて、
    備考……
    
    
22. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	代男複属	彼らの
    	名男単主	(人名)は
    	形男単主	強い腕を持つ
    	名男複属	王たちの
    	形男複属	高貴な

    
    日本語訳…… 強い腕を持つビーマ王は、彼ら高貴な王たちを〜
    備考…… 属格は次の(接待)にかかる。「王たちの接待」なのだが、目的語として「〜を接待して」と訳すほうが自然(ランマンにも「目的語的」という註あり)。
    
    
23. 
    
    
    

    語(連声前)	説明	語義
    	副	ふさわしく
    	能過単３	した
    	名女単対	接待を
    	代男複主	彼らは
    	能過複３	滞在した
    	副	そこで
    	←過分男複主	接待された

    
    日本語訳…… ふさわしく接待をし、接待された彼らはそこに滞在しました。
    備考……