[サンスクリットページ雑感集・技術情報]

ローマ字→今昔文字鏡梵字変換

Since 2006/12/26 Last Updated



  1. 変換
     使い方の説明は後回しにしてまずは変換フォームです。初めての人はこのフォームの下をゆっくりお読みください。
    入力テキスト :
    出力形式
    通常
    フォントの大きさ
    梵字部

    マクロ
    書式

    代用アヌスヴァーラ

    未登録結合子音処理
    無変換
    つき字に還元
    同上(赤字)



    ユーザー定義ファイルを作成した人は以下にIDとパスワードを入力してから実行をクリックしてください。
    ID :
    パスワード :
    ユーザー定義ファイルの作成/編集についてはこちらを参照



  2. 概要
    1. ローマ字で書かれたサンスクリット文を、今昔文字鏡の梵字フォントを用いた梵字文に変換します。
    2. 「今昔文字鏡」とは、コンピュータ上で多様な漢字を利用するためのシステムです。漢字のみならず甲骨文字、西夏文字、変体仮名など多様な文字が収録されており、その中には梵字も収録されています。
    3. 当初は「文字鏡研究会」からフリーでフォントと簡易入力ツールが配付されていましたが、現在はダウンロードが中止されています。
    4. そのかわり、紀伊國屋書店から今昔文字鏡(製品版)として市販されてきました。最新バージョン「単漢字16万字版」は紀伊國屋書店ではなく開発元のエーアイ・ネットから販売されるようになりました。
    5. 今昔文字鏡にはサンスクリット文を表現するのに必要なすべての梵字が収録されておりませんし、すでにある字に記号を付加して新しい字を組み上げる機能がありませんので、今昔文字鏡に収録されている範囲内で表現できる限りの変換にとどめています。なお、収録されている文字の一覧は、今昔文字鏡梵字フォント一覧を参照してください。
    6. なお、現在では今昔文字鏡の関連製品として「梵字鏡湧出窓」という製品がエーアイ・ネットから発売されています。今昔文字鏡に登録された梵字(1875字)をはるかに越える12000字の梵字を搭載し、ローマ字→梵字変換など多彩な機能を備えているので、この製品を買えば当ユーティリティはまるっきり不要でしょう。あくまで当ユーティリティは、今昔文字鏡の範囲内の梵字でサンスクリット文を表現しようという人のためのものです。
    7. 出力形式は通常の形式(フォントが設定されていて梵字に見える状態)のほか、Tex用、Word/Excel用などの各種マクロ形式を選ぶこともできます。
    8. 同音異体字について、そのうちのどれを用いるかをユーザー定義して保存することができます(まんどぅーか友の会会員のみ)。



  3. インストールと実行
    1. 現在ではダウンロードが中止されていますが、以前に今昔文字鏡(文字鏡研究会)のサイトからフォントをダウンロードした人はOK。また、製品版「単漢字10万字版」「単漢字15万字版」「単漢字16万字版」をお持ちの方もOKです。何も持っていないという人は、「単漢字16万字版」を入手してインストールしてください。
    2. フォントが正常にインストールされているかどうかを確認するためには、今昔文字鏡梵字フォント一覧を参照してください。この表が正常に梵字として表示されているようであればOKです。フォントが正常にインストールされていない場合、梵字部分が漢字などに文字化けしていることでしょう。
    3. 「入力テキスト」にサンスクリット文を入力して「実行」をクリックするというのが基本の操作法です。すでにサンプルデータがプリセットされているので削除してから入力してください。
    4. 「実行」をクリックするとブラウザの別ウインドウが開いて変換結果が表示されます。これは画像ではなくてフォント+文字なので、Microsoft Officeなど、フォント情報つきの文字のコピー&ペーストができるアプリケーションにコピー&ペーストすることができます。
    5. 「出力形式」は「通常」または「マクロ」を選ぶことができます。それぞれのオプションは次のとおりです。
      • 通常……フォントが設定されており、人間の目に梵字に見える状態です。上述のように、この状態から各種アプリケーション(フォント情報つきの文字のコピー&ペーストができるものに限る)にコピー&ペーストすることができます。
        オプションとして、フォントの大きさを1〜7から選ぶことができます。7が最大です。初期状態では梵字部5、他3です。梵字はフォントの大きさの割に小さく見えるので、梵字部を大きめにするといいでしょう。もっとも、他アプリケーションにコピー&ペーストすれば、そのアプリケーション上で自由に大きさを変更することができます。
      • マクロ……今昔文字鏡(文字鏡研究会)のサイトにはTeXやWord/Excelなど、他ソフトで文字鏡フォントを使うためのマクロが登録されていました(現在はダウンロード中止)。これらのマクロの書式で出力するものです。オプションではマクロの書式を選べるようになっています。初期状態は\MO(TeX用マクロ形式)です。なお、これらのマクロの使い方などについては当まんどぅーかネットでは一切のサポートをしません。
    6. 上記「概要」で書いたように、現在のところ、今昔文字鏡にはサンスクリット文を表現するのに必要なすべての梵字が収録されておりませんし、すでにある字に母音記号などを付加して新しい字を組み上げる機能がありません。ですからたいていの場合に正しく変換できない部分が発生します。こういう場合に対処するために2つの工夫を用意しています。
      • 「代用アヌスヴァーラ」とは、などのように、鼻子音+同系子音という結合の鼻子音をアヌスヴァーラで代替表記するものです。これによって鼻子音で始まる結合子音字がまともに表記される可能性が高くなります。この処理を行わない場合にはチェックボックスをオフにして(クリックして印を消して)ください。
      • 「未登録結合子音処理」とは、「子音(1)+子音(2)+母音」という文字が未登録の場合の処理の方法を選択します。
        • 無変換……子音(1)をそのままローマ字で出力した上で、「子音(2)+母音」のみを変換します。
        • つき字に変換……子音(1)を「子音(1)+」という字で出力し、「子音(2)+母音」を変換します。
        • 同上(赤字)……上と同じで、「子音(1)+」部分を赤字で出力します。なお、マクロ出力の場合は上の「つき字に変換」と同じです。
    7. 同音異体字のうちのどれを用いるかをユーザー定義して保存する機能があります。IDとパスワードはこの機能を利用するためのものなので、この機能を利用しない人は入力不要です。詳しくは下のユーザー定義ファイルを作るを参照してください。



  4. 入力テキストの書式
    1. 入力テキストの{と}で囲まれた部分をサンスクリット文とみなして梵字に変換します。それ以外の部分はそのまま出力します。シフトJISコードで書かれていることを前提にしているので、2バイト目が{ないし}である漢字コードを用いても正常に動作します。他の漢字コード(EUC-JPなど)を用いてもそのまま出力されるので大丈夫のはずです。
    2. ローマ字はKH法に基づいています。以下のものを用いてください。
       
      a A i I u U R RR L e ai o au  
         
      k kh g gh G c ch j jh J     H M
       
      T Th D Dh N t th d dh n  
       
      p ph b bh m y r l v   z S s h
    3. 上記の表は本来のKH法のみですが、まんどぅーかネット独自のローマ字転写法にも対応させるため、次のような拡張をしています。
      • aa、ii、uu……A、I、Uと同様にを表す。
      • r3、r4、l3……R、RR、Lと同様にを表す。
      • n1、n2、n3……G、J、Nと同様にを表す。
      • t3、t3h、d3、d3h……T、Th、D、Dhと同様にを表す。
      • s2、s3……z、Sと同様にを表す。
      { }内に上記に定義されていない文字や記号類を書いた場合は、そのまま出力します。
    4. { }内のスペース、ピリオド、コンマ、ハイフンはすべて無視します。どうしてもこれらを入れたい場合は、{pAra}-{saMgate} のようにいったん}を閉じて書いてください。
    5. {そのもの、}そのものを出力したい場合はそれぞれ{{、}}のように書きます。



  5. ユーザー定義ファイルを作る
     今昔文字鏡の梵字には、同音の異体字が複数登録されている部分があります。初期状態では最も若い文字鏡番号の字を用いることにしていますが、他の文字を用いたい場合にそれを指定できるようにしました。同音の異体字はけっこういろいろあるので、そのつどいちいち指定するのは面倒です。そこで自分好みの設定を当まんどぅーかネットのサーバーに保存できるようにしました。ただし、不特定多数の人が設定を保存してしまうとサーバーがあふれてしまうかもしれないので、このサービスはまんどぅーか友の会会員に限らせていただきます。会員でない人は次をクリックして入会申請してください。
    まんどぅーか友の会入会案内
     すでにユーザー定義ファイルを作った会員の方は、上記の変換フォームでIDとパスワード(まんどぅーか友の会ページに入るためのIDとパスワードです)を入力すると、その会員ID用の定義ファイルを用いて変換をします。IDやパスワードを入力しなかったり、入力ミスをした場合には、既定値を用います。
     ユーザー定義ファイルを作りたい人は、下の「ユーザー定義ファイル作成」をクリックしてください(この段階ではIDとパスワードは入力してもしなくてもかまいません)。すると別ウインドウで「ローマ字→梵字・ユーザー定義ファイル作成」が開き、今昔文字鏡の梵字が辞書順(デーヴァナーガリー順)に表示されます。このうち、同音異体字があるところはラジオボタンで選択できるようになっているので、適宜選択したあと、IDとパスワードを入力したうえで「保存」してください。
     すでに作成ずみのユーザー定義ファイルを変更したい場合は、下でIDとパスワードを入力した上で「ユーザー定義ファイル作成」をクリックしてください。すると作成ずみの内容が表示されるので、適宜変更したうえ、IDとパスワードを入力したうえで「保存」してください。

    新規作成の場合は以下のIDとパスワードの入力は不要です。
    作成ずみのユーザー定義ファイルを変更したい場合は、IDとパスワードを入力してください。
    ID :
    パスワード :



  6. 今昔文字鏡関連ユーティリティに対する見解
     今昔文字鏡関連ユーティリティに関しては、文字鏡研究会という団体が、不当に厳しい許諾条件を設定し、「コード表を作るな、ユーティリティを作るな」と、草の根ソフト作者たちに警告メールを発してつぶしにかかったという前科があります。この件に関するまんどぅーかの見解は、今昔文字鏡ユーティリティに関する声明をご覧ください。姉妹サイト「青蛙亭漢語塾」内のページですので「青蛙亭主人」と名乗っておりますが、まんどぅーかと同一人物です。まんどぅーかはネットの草の根ソフト作者の表現の自由を守るため、このような不当な圧力には徹底抗戦します。




※ご意見、ご教示などは、に戻り、掲示板あるいはメールで賜るとありがたく思います。