[サンスクリットページ参考書]

韓国語で書かれた参考書

Since 2004/6/5 Last Updated 2004/6/12

はじめに−−なんで韓国語で書かれた参考書なんか

 まんどぅーかは韓国との付き合いも長く、しょっちゅう韓国に行っておりました。 今までは韓国で韓国文化以外の本を買おうなんて思いもよらなかったのですが、こういうサイトを作ってからは、韓国のサンスクリット学習事情にも興味を持ち始めました。
 韓国語は日本語と語順がほとんど同じだし、漢字語と固有語とのブレンドの具合も似ているんで、その気になればほとんど直訳に近い形で韓日/日韓の翻訳をすることができます。 そこで「ゴンダ文法の韓国語訳なんかないかな?  あの鎧先生の日本語訳の悪文と格闘するくらいなら、韓国語訳を見たほうがすっきりわかるんじゃないかしら」とか「ホイットニーの文典の韓国語訳なんかないかな? あったら英文を読むよりはるかにわかりやすいんじゃないかな」とかいう思いもありました。
 先日(2004/5/28-30)やっと韓国に行く用事ができたので、大型書店を数軒まわり、 それから曹渓寺という韓国最大の(実質的に唯一の)宗派の総本山の門前にある仏教専門書店なんかもまわって、韓国で出ているサンスクリットの本を買いあさってきたんですが……
 買いあさるというほどありません。 全然ないんです。 以下の3冊を見つけるのがやっとでした。 ある本屋では「仏教研究なら日本のほうがはるかに進んでいるのに、何をわざわざ韓国にやってくるのか」なんて言われたほどです。 韓国のサンスクリット学習環境は非常にお寒いというしかありません。
 うーむ。 これは韓国語でサンスクリット入門サイトを開設したら需要あるかな?
 ともかくご覧くださいませ。

 なお、韓国語でサンスクリットのことは、「梵語()」と書かれる場合を別とすれば、本来はと書かれるはずなんですが、現実にはと書かれることが多いです。 このあたり表記がいまいち一定していないところがあるので、インターネットで検索などする場合には要注意です。

ブックマーク=kgipmun

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イ・ジス(編訳)『サンスクリット入門』()
1989.以文出版社.4500ウォン(450円程度).A5−339ページ.
 大きく「文法」「文法、読解、作文」「読解練習」の3部構成になっており、序文によればネタ本はそれぞれ、 岩本裕『サンスクリット文法綱要』、 Judith M. Tyberg『First Lessons in Sanskrit Grammar and Reading』、 キタガワ『Sanskrit Reader』(詳細不明)ということだそうです。 実際、第1部を岩本綱要と比較してみたところ、「学習の栞(しおり)」「演習」を除いて忠実に翻訳されています。 演習は第2部でというわけなんですが、第2部のほうにも文法説明があったりするんで同じものが重複している感があります。 第1部と第2部はローマナイズですが第3部の読解は完全にデーヴァナーガリーになっています。 その橋渡しのつもりなのか、付録には第2部の演習問題のデーヴァナーガリー版が書いてあったりします。
 いろいろな本のいいところを頂戴したという感じの本ですが、それだけにけっこう使いよいのではないでしょうか。
 付録の文法のまとめはリファレンス用としても便利です。
ブックマーク=kgsuga

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菅沼晃『サンスクリットの基礎と実践』()
1990.民族社.ISBN89-7009-092-4.7500ウォン(750円程度).A5−291ページ.
 日本の本の翻訳です。 訳者は上記『サンスクリット入門』のイ・ジスさん。 原著は現在絶版なのでどうしても原著を読みたい人は代用になるかもしれません(なんかこれって、サンスクリット原典がない大乗仏典のチベット語訳や漢訳を読むような話みたい)。
ブックマーク=kgread

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ペク・ドス(白道守)(編著)『初級サンスクリット講読』()
2000.ヨンギサ(縁起社か? ).ISBN89-950768-9-5.7000ウォン(700円程度).A5−270ページ.
 前半80ページで文法をまとめ、後半で講読練習をします。 全部ローマナイズで、講読は文法解析をしながら丁寧にやっています。 逆に文法のまとめは簡潔すぎて、この本でスタートするにはつらいかもしれません。 別の本で基礎を習得した人の読解練習用というところかな。 解答もあるので独習向き(ただし語彙集はありません)。


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