○教えてクン養成マニュアル

明日の「教えてクン」を目指す、若き戦士達に以下の文章を捧げる。
日々精進し、パソコンヲタクどもの親切を蹂躙してやれ。

1.努力を放棄すること
いやしくも「教えてクン」たるもの、努力をしてはならない。過去ログを読んだり、検索してはいけない。
「英語は苦手なので、分かりません」は、高く評価できる。辞書片手にマニュアルやReadMeを読むなど、決してしてはならない。他力本願と言われようと、自分で調べたり試行錯誤したりせず、他人の努力の結果を搾取するのが、正しい「教えてクン」である。
また、「もう何が悪いのかサッパリ分かりません」と言ってふてくされるのも有効である。「サッパリ」という単語が「やる気の無さ」を効果的に表現している。
「原因を特定するには、何をすべきでしょうか?」と訊いてしまうと自己の積極性が現れてしまうので、「教えてクン」失格である。

2.情報を開示しないこと
使用OSや、機器構成などの必須の情報を知らせてはならない。マザーボード名やBIOSのバージョンも同様だ。具体的なアプリ名やバージョンも隠蔽すべきだ。「DVD再生ソフト」のように曖昧に表記しておけばよい。
反対に「前から欲しいと思っていた○○」とか「安売りされていた○○」等の「どうでもいい情報」は、どんどん書いてやれ。
トラブルの場合は、状況を正確に記述してはならない。「なんだかうまく動きません」とか「エラーが出ます」等と具体的なことは何も書かないことが重要である。
また、自分の試してみた事も具体的に書いてはいけない。考えられる組合せのマトリックスを作成し、状況を整理するなどもってのほかである。最悪の場合、それだけで問題が解決してしまうこともあるのだ。「いろいろやってみたけど、動きません」が理想的だ。

3.答える人間のことを考えないこと
「教えてクン」は、孤高の戦士である。相手のことを考えるようでは教えてクン失格というものだ。以下のような行動が、望ましい。
初心者であることを高らかに宣言し、初心者向けの丁寧で分かりやすい説明を強要する。専門用語の使用を禁じておくとさらに効果的である。簡潔な説明を禁じられたヲタクどもは、同じ内容を説明するのに、何倍もの労力を強いられる。自分は努力せず、相手には多大な努力をさせることこそが「教えてクン」の真骨頂である。
マルチポストも有効である。そのBBSを信用していないことを明確に示せる。「どうせ、お前らじゃ分からんだろう」という意志表示として高く評価できる。もちろんマルチポストの非礼をあらかじめ詫びてはならない。それでは、単なる「急いでいる人」になってしまう。それは、教えてクンではない。
質問のタイトルは、「教えてください」で良い。タイトルを読んだだけでは「何に関する質問」か全く分からない。そういう努力は、答える人間にさせれば良いのだ。
とにかく、答える人間が答えやすいように気を使って質問してはならない。傲慢で不遜な態度が必須である。「聞きたいことがあります」など、プロの仕事であろう。
最後に、言うまでも無いことだとは思うが、答えてくれた人達にお礼の言葉を返すなど言語道断である。せっかく「教えてクン」を貫いてきたのに、最後にお礼を言っているようでは、画竜点睛を欠いていると言わざるを得ない。質問だけしておいて、後はシカトが基本である。
上級テクニックとして、「そんなことはもう試しました」とか、「そこまで初心者じゃありません」などと言って、回答者の神経を逆なでしておけば完璧である。

以上のことを踏まえて質問すれば、君も立派な「教えてクン」である。
ビバ! 教えてクン! 教えてクンに栄光あれ!!