ヒトーパデーシャ3-9
他人の真似をして財産を得ようとした床屋の話

アヨダヤーの町に、チューダーマニという王族がいた。 彼は長い間富を求める大きな苦行を行ったので、聖チャンドラールダチューダーマニ神が満足なさった。かくて、彼は罪を滅ぼされ、神の聖なる恩恵で夢でヤクシャシュバラに拝謁することを得て、指示された。「あなたは明日の朝、頭をそったら、棒を手にして自分の家の門のところに隠れて立つべし。すると、托鉢行者が中庭にやって来るのをあなたは見るであろう、あなたは彼を棒で容赦なく打ちなさい。すると、その托鉢行者は黄金でいっぱいの瓶になるだろう。それによってあなたは一生思い通り幸福に生きなさい」。直ちにそのように実行してそうなった。
さてそれを、頭をそるために連れてこられた理髪師が見て、彼は熟考した。「ははあ、こうすれば宝を得られるんだ。そしたら私もこうしよう」と。それ以来、その理髪師は毎日同様に棒を手にして、翌朝に托鉢行者が人に知られずに来るのを待った。するとあるとき彼は乞食僧に出会ったので、棒で打って殺した。その罪によってその理髪師もまた王の役人に打たれて死んだ。
だから私は言うのだ。

♪「ある人が善行によって得たものは、私も得られるだろう」。こう考えて錯乱し宝を望んだ理髪師は、托鉢行者を殺して死んだ。




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